不幸があり1ヶ月余り執筆に没頭することが出来ませんでした。この間訪れていただいた方にお詫び申し上げます。
まだまだ残された課題は多いのですが、気づいたこと、後悔した事、忘備録として綴ってみます。皆さんのお役に立てれば幸いなのですが。
予測は出来ても災難は突然訪れます。元気でいる頃は縁起でもないと、つい先延ばしになる話題ですが時を失うと後々面倒なことになってしまいます。動揺しないよう「手順」を知っておきましょう。
決めておきたいのは
1. 遺言書の作成
2. 葬儀のプラン・予算
3. 葬儀屋さん
4. 菩提寺・僧侶・お墓
5. 通知する親族・交友関係
その時々でみんなが安心して納得いく段取りを計画しておきましょう。誰が先に逝くかは分かりません。
故人の意思と家族の負担が最優先です。逝った家族も残った家族も安心できるよう相談してみましょう。
目的は故人の冥福を祈ること。生前の恩を深く偲ぶことです。家族しかその苦楽を偲べないでしょう。
人生で一度か二度の行事なのですが、喪主になってその場に立ってみると右往左往してしまうものです。
一度に失意と難問が重なって襲いかかります。落ち着いてなどと他人には言えるのですが、自分には聞こえませんよね。手続きや費用など普段は思ってもみないものです。
今回二度目の喪主です。前回は父親の葬儀でしたが、本家の従兄弟が一切を相談に乗ってくれて、こちらの希望に沿って執り行ってくれました。
今回は私の配偶者です。以前から遺言書や葬儀の話もしていたのですが、元気な時は中々実行までには行かないものです。
事前準備無しに奔流に乗り出したら対岸までなす術がありません。そんな後悔をしないよう、皆さんや家の家族に忘備録として記して行きたいと思います。「備えあれば憂いなし」準備して決まったことを変更すると迷路に入ります。
今回、葬儀社は必要なプランが含まれている希望の見積もりを取ってあり、病院から急遽連絡をしてあったのですが、妻の実家から知り合いの葬儀社の提案があり、変更を余儀なくされました。
ここから迷走が始まってしまいました。他の家庭のことは他の人には分かりません。対岸の災害のようなものです。
高齢で異変を感じたら、すぐ病院
先ずは一連の手続きを病院から葬儀社・お寺まで確認しながら進めて行きましょう。
病院で亡くなった場合は病院から死亡診断書・死亡届が発行されるので手間はかかりませんが、自宅などで亡くなった場合、警察官や検視官の検視が必要となります。警察から派遣された医師による死亡診断書が必要になります。所轄警察署や市役所などへの届け出る医師による死亡診断書も高額ですし、貴重な時間を費やしてしまいます。
異変を感じたら、掛かり付けの病院(医院)などに緊急診察して貰いましょう。家族で連れて行っても良いでしょう。亡くなった後ですと病院は受け付けてくれません。また亡くなった遺体を移動するのは「刑事訴訟法」に接触してしまいます。
遺言書は残された家族のためです
自筆証書遺言の場合、フォーマットに厳密な規定はありませんが、注意しなければならない事もあります。
遺言者本人の自筆で書くことと、必要事項・優先したい事項を具体的に記述したうえで、遺言書を完成させましょう。
自筆証書遺言の条件およびポイント |
・遺言者の氏名と押印があること |
・作成した正確な日付(年月日)が記入してあること |
・自筆による本文であること |
・紙やペンの種類は問われない |
・誰に相続させるか |
・何をどのくらい相続させるか |
・相続を廃除したい人の明記 |
・遺言執行者の指定 |
・印鑑は、実印のほか認印や母印でも認められます。 |
自筆証書遺言書を作成する上で特に重視したいのは、「誰に対してどのくらいの財産を相続させるか」という具体的な内容です。
探せばフォーマットがありますので検索して書きやすい様式を選びましょう。
参考:https://www.aimats-gracesupport.jp/16102120969745
自筆で作成した遺言書を、1件につき3,900円の手数料で保管することができる自筆証書遺言書保管制度があります。
自筆証書遺言書保管制度・法務局遺言書保管所
参考:https://www.moj.go.jp/MINJI/07.html
また交渉人を交えた、口述した内容の「公正証書遺言」も安全・確実です。
こちらは公証人手数料が資産により変わります。
参考:https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow02/2-q13
決めておきたい葬儀の進行
1. 葬儀の規模・法事の流れ | |
2. 葬儀の予算 | 理想は費用に比例して行きます。 |
3. 菩提寺お墓の決定 | |
4. 通知する親戚。知人・友人の選定 | |
5. 相続人への遺言書 |
①故人の銀行口座など
金融機関などは、死亡を知ると口座の凍結をしなければなりません。財産の保全のためですが、遺言書が無いと凍結の解除は出来ませんので、葬儀費用や予定の生活支払いに必要な預金は先ず家族の口座に移して置きましょう。相続に結びつく預金などは後、問題になるので気をつけて下さい。
遺言書があれば比較的簡単なのですが、遺言書が無く遺産分割協議書を作成して相続を決めるには遺族にとって法は複雑で過大な負担ですし、解除までに日数がかかります。
②お葬式予算
葬儀社も沢山あるので、予算にあった葬儀社は3~5社は見積もりを取って決めておきましょう。
中には葬儀費用だけで、会場使用料や運営費でオプションを含んだ値段になっていない場合多いです。
諸費用を含めると2倍以上の料金になってしまう場合があるので注意が必要です。
依頼し搬送されてしまうと、葬儀社を変更するのは心情的に不可能でしょう。
前もってどの様に必要なプランが含まれているか、総額の料金を把握しておくのは必須です。
概ね予算内での3社位の見積もりを把握しておきましょう。
別途料金の掛かるもの | |
1. 喪主花輪 対2 | 30,000円位 |
2. 精進料理 | 3,500円位×人数 |
3. 香典返し | 3,500円位×人数 |
4. 新生活香典返し | 1,000円位×人数 |
葬儀社のプランに含まれている場合もあるのでこちらなら安心です。しっかり確認してみましょう。
予想される香典の相場で半分は賄えるように。
その他検討する葬儀社 | |
・自治体の市民葬祭 | 比較的やすく執り行えます。 |
・個人の葬祭屋さん | もし知り合いがいたら聞いてみましょう。 |
・小さなお葬式 | オプションは別料金です。 |
も調べて見積もりを取っておきましょう。これでいざと言うときに迷わず済みます。
③菩提寺・僧侶お布施
檀家総代に相談してみましょう。地域の相場がわかります。
戒名代 | 10万円~100万円 | 「位名」によって相場が変わる |
お布施 | 5万円~10万円 | |
交通費 | 5千円位 |
④生命保険金請求
こちらももう一度確認しておきましょう。
生命保険金は故人が受取人で無い以上、相続の対象ではありません。契約者・受取人によって「所得税」や「贈与税」の対象になりますので、契約者と受取人は家族になっているか調べておきましょう。
生命保険金請求に必要なもの
1. 死亡診断書・病院の領収書
2. 戸籍全部事項証明書の取得
⑤公的死亡手当請求
1. 遺族厚生年金
2. 健康組合(健康保険)
年金事務所や健康組合(健康保険)の制度です。
75歳で後期高齢者医療制度に移行後は市役所に葬祭費支給申請書を提出します。
各5万円位支給されます。
3. 遺族厚生年金受給要件
年金事務所で良く確かめてみましょう。貰えれば助かりますよね。
⑥相続問題
遺言書がない場合は遺産分割協議書(死亡を知った日から3ヶ月以内)
遺言書がない場合これが一番厄介です。
相続人の間で話合いがつかない場合には家庭裁判所の遺産分割の調停又は審判の手続を利用することができます。
調停手続を利用する場合は,遺産分割調停事件として申し立てます。この調停は,相続人のうちの1人でも他の相続人全員を相手方として申し立てることが出来ます。心情的には「しこり」の残る方法ですが一日も早い解決には有効な方法です。所轄裁判所は故人の最後の住居地の家庭裁判所になります。
事前には相続人全員に通知しておきましょう。突然家庭裁判所から出頭通知が届くわけですから。
申し立て費用は | |
1. 被相続人1人につき | 収入印紙1200円分 |
2. 連絡用の郵便切手 | 被相続人1人につき |
必要ないよう願っていますが、前述した様に遺言書は書いておきましょう。
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葬儀の終わった後も法要は続きます。
1. 本位牌の用意 四十九日法要で必要です。
2. 墓石の名彫り
3. 菩提寺総代への相談
⑦四十九日
※絶対に行わなければならないといったものでは無いそうですが、故人が極楽へ行けるよう供養を行う大事な行事です。無理しても行いたいですね。
前倒しで調整することが多く、後ろには倒してはいけないという暗黙のルールも知っておきましょう。
通知する親戚。知人・友人の選定 | ||
菩提寺僧侶 | ・お布施
・交通費 ・会席 |
・3万円~5万円
・5千円~ ・5千円 |
本位牌 | ・仏壇屋さん | 2~3週間前には依頼しておきます。
字彫り代は5千円位 |
食事代 | ・3千円~5千円 | |
返礼品 | ・3千円~4千円 | |
墓石・名彫り | ・石材屋さん | 納骨式までにが望ましい。 |
四十九日法要が終わってほっと一息ですね。
家族で集まって温泉や美味しい料理を頂きながら、故人を偲ぶのも家族ならではの供養です。
ですがここから家族の明日への始まりです。生活の再建も相談しましたか。
新盆法要もあっという間に近づいてきます。
⑧新盆法要 8月13日から8月16日
※絶対に行わなければならないといったものでは無いそうです。家族や近い親戚だけで行っても良いでしょう。
菩提寺から僧侶に法要を頼む場合
菩提寺僧侶お布施 | 初盆(新盆) | お布施は40,000円程が目安 |
交通費 | ・5千円~ | |
新盆でのお斎 | 料理手配 | ・3千円~5千円 |
返礼品 | ・3千円~4千円 |
⑨一周忌
※絶対に行わなければならないといったものではありません。家族や近い親戚だけで行っても良いでしょう。
前倒しで調整することが多く、後ろには倒してはいけないという暗黙のルールがあります。
自宅・お寺・会場
食事代
返礼品
⑩年忌法要
※絶対に行わなければならないといったものではありません。家族や近い親戚だけで行っても良いでしょう。
自宅や寺院・会場を用意します。
10の項目に亘って説明してきましたが、お葬式が一番大変なのですが同時に考えていかなければならない事なので、家族の協力は絶対に必要です。
仕事もしなくてはいけない、細々お金も出て行きます。こんな時家族の絆はありがたいですね。
安心葬儀
参考:https://ansinsougi.jp
終わりに
家族のために「泣いたり笑ったり」頑張ってきたのですから、もっと美味しいものを食べたり、温泉など楽しんで貰いたかったのですが、加齢による療養は避けて通ることは出来ません。気晴らしな適度の運動、一汁三菜、日本食は長寿の源と言われますが、普段から質素でも先人の知恵を利用した食事環境に心がけたいものです。
出不精や小食を感じたら「道の駅」や「運動公園」などに出掛けましょう。今は何処も車椅子が用意され不便なく訪れることが出来ますね。自然のエネルギーをいただきましょう。お弁当を用意したり、気になるお店で食事も心の保養です。美味しいものを食べるとつい笑顔になりますよね。
家族だけでしか出来ないこと大事にしたいです。
病院から葬儀社・お寺の法要まで、長い投稿でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。いざと言う時にお役に立てると思います。一連の手順を参考に一家のマニュアルに加えていただければ執筆の甲斐があります。
家族の絆をまた次の世代に引き継いでいきましょう。またご来訪お待ちしています。