Affinity V2 お勧めできる人・できない人

Affinity V2
Adobe Creative Cloud
あなたはどちらを選ぶ

Affinity V2体験版にて使用してみた結果をお伝えしましたが、今回は「お勧めできる人・できない人」として新たにお勧めしたいと思います。

Af_2.png

試用版をダウンロード:https://affinity.serif.com/ja-jp/

Affinity V2の利点(長所)

①何と言っても価格が安い
②機能が限定されるが三種の神器が揃っている
 1. Affinity Photo
 2. Affinity Designer
 3. Affinity Publisher
③買い切りである
④趣味的な範囲で利用する人
 ブログ等の制作
⑤業務でも自社サービスだけで外部の事業者とファイルのやり取りが必要ない人
 POP、お知らせなどのフライヤー制作 縦書きは利用しない
⑥Adobe製品は利用しない人
⑦過去にAdobeで作成した(ファイル)を利用できなくても良い人
⑧日本語や機能的なバグが出た場合も改善まで気長に待てる人
 目的がこの様な用途であればお勧めしたいと思います。

Affinity V2の欠点(短所)

❶Affinity Photo
 ただ画像のリサイズや解像度、簡単な色調補正の変更であれば、フリーソフトでも間に合ってしまうと言う点があります。
❷Affinity Designer
 日本式二重トンボの機能が無い。印刷現場では必須。
 Illustrator(.ai .eps)で製作された「テンプレート」を取り込むという方法もあるが、様々な様式の「テンプレート」を用意しなければならない。
❸日本語組版機能が無い。
 「横組み」はワープロなど欧文や数字などの文章で見かける、横に文字を並べる組み方です。日本の書籍、週刊誌、広告などではタイトルや見出し、本文に縦書きを使う事があります。書籍の組版で縦組みが使えないということは現場ではありえないことです。
❹制作工程時、発注者・製作者・編集者・印刷所とデータをやり取りする必要がある場合、業務で利用するとなると多分(一択で)Adobeソフトになってしまいます。
❺フォントをアウトラインを取る為カーブに変換した場合、フォントが太る。
❻デザイナーでも難しいIllustratorペジェ曲線を必要なのかも疑問。
❼Illustrator、Photoshopを機能限定で代替できても他のアプリケーションの代替はAffinityでは出来ない。Adobe Creative Cloudで言えば動画編集Premiere Proの様なもの。
❽Affinity Publisher
 上記のAffinity Designerで説明した機能が使えなければ、ページレイアウトソフトとして不十分。
❾一からAffinityのアプリ・ソフトウェアの使い方を学習してまでも、AdobeからAffinityに乗り替える価値と将来的な安定があるか。
 プロの現場では今ある機能が使えなくなるのは死活に関わって来ます。出費を惜しんで受注が落ちたのでは本末転倒です。

Affinity DesignerがDTPではまだお勧め出来ない理由

❷日本式二重トンボの機能が無い。
❸日本語組版機能が無い。
 この2点は決定的な欠点です。
○制作工程
 現場の環境が許せば問題は無いでしょう。「クライアント」は完成製品を見るのであって工程を見るわけではありませんから。
○Adobe製品とAffinity製品は、ソフトウェアの操作性や機能が違います。目的が同じであれば何が必要なのか明確に判断することが大切です。

Adobe Creative Cloud

欠点(短所)
2012年 パッケージ版からサブスクリプション型(月額課金)への変更が発表され「Adobe税」なる言葉を生み出しました。毎年課金は正直負担です。同時期Affinityが発表され、Adobeとの価格差で人気を博した様です。以前からAdobeのパッケージ版の価格が高いのは周知の通りですが、アップグレード版も有りましたし、業界必須のソフトですので高価でしたが一択でした。
Adobe 製品が高価なのは今始まった訳でも無く、Photoshop4やIllustrator7でも単体で10万円前後していました。金のかかる道具でしたが、金を生む打ち出の小槌でした。その他に紙面を飾るのは書体ですのでこれも有料です。DTP導入って結構金の掛かるものです。

2024年にはデザイナー待望の写研書体が発売される予定ですが、もちろん有料です。私も馴染みがあるので期待しています。

たしかにAdobe CCを購入しなくてもチラシもフライヤーも作成できます。
画像サイズ・解像度の変更や色調補正の変更であればフリーソフトでも出来ますし、
Microsoft WordやMicrosoft PowerPoint、一太郎でも簡単なチラシは出来ます。
ただ、クライアントや印刷所が受け入れてくれればの話ですが。

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DTPこれを知らないと日本語組版が出来ない。

何故プロの現場ではAdobeなのか、もうちょっとお付き合い下さい。
WEBデザインやDTPに興味あるのでしたら知っておいて下さい。

日本のDTP環境は独自の形態。……何故?。

そもそもコンピュータは1946年、アメリカ発祥の電子計算機で「最初のコンピュータ」 と言われています。インチやポイントはアメリカ・イギリス仕様なのです。従ってワープロソフトと同じ横組みが標準です。

50年前、日本の活版印刷時代は印刷業界も文字はポイントで指定されていました。その後写真植字機の時代に進化し、この時関東は「写研」、関西は「モリサワ」と印刷業界は挙って導入していきます。写真植字機の仕様でmmに変わって行ったのです。写真植字機は上下左右に歯車が動作し、歯車の1間隔が0.25mmでした。歯車1が1歯(1H)です。1歯は文字で1級(1Q)と呼ばれ文字の大きさが4mmであれば4を掛けて16Qになります。14Qであれば4で割って3.5mmです。任意に歯車を回転させ上下左右移動して使えるのが写真植字機でした。
14ポイントの文字を25字詰めで何mmになるか、1ポイントは、25.4mm÷72=0.35mmです。計算すれば直ぐ出て来る?でしょうが、直感的に頭の中で計算するのは面倒ですよね。文字詰めだけではなく、行間、行数も計算しなくてはならなくなります。4の倍数、4の約数。割付者・編集者、そしてオペレーターもこの計算で単純に計算が簡単になります。文字の大きさはQで指定されます。
この作業を継承し特化したのがAdobe社DTPソフトです。以下で解説していきます。

当時日本では写真植字機による日本語組版が確立しており、電算化が加速されていました。当時日本の印刷業界はインチ・ポイント指定ではなく、馴染みのあるmm指定で作業を進めていました。文字もそうですが線の指定もmmです。
日本語はアルファベット・約物に加えて、漢字・ひらがな・カタカナなど、他国では見ない様々なフォーマットを有した言語の一つです。また日本語の表記は縦書きが主流です。縦書きにも対応していないと多彩な書籍・広告に対応出来ません。
PC上で組版、製版を編集・印刷するDTPに日本語組版組み入れる必要がありました。しかし、多くのアプリケーションは文字や線指定の単位がポイント(インチ)で表示されます。
日頃WordやExcelでまたはテキストエディタで気にかけていないと思いますが、決められた寸法で決められた行数、文字数を配置するには不便です。ポイントを切り替えて編集することは可能ですが、DTPでは原稿入稿時、決められた書体を総文字数で何文字詰め、行間、行数、文字の大きさなどをmmで机上で計算してオペレーターに指示します。これは複製しやすくする為です。これは日本印刷業界の独自のやり方です。

写真植字機から電算植字機(キーボード入力)へと移行していきますが、1985年Macintosh社とAdobe社はいち早くこの日本語の分野DTPに参入して来ました。当時コンピュータはDOS上でBASIC言語でしたが、Macintoshがマウスとアイコンで操作するOSを発表し、一般に広がっていきます。DTPの名称を初めて使ったのは米Aldus社のDTPの草分けソフト「PageMaker」でした。Adobe社のPhotoshopやIllustratorなどのソフトもこの時期に参入です。
1984年Adobe社のPostScript(ページ記述言語)が発表されここにDTPの完成が見られました。補間ですが、プリンタにもドロープリンタとPSプリンタがあります。また「PageMaker」は1994年にAdobe社に吸収されInDesignへと移行して来ました。それまでDTPソフトと言えば「QuarkXPress」でしたが、現在DTPと言えばAdobe一択です。

お分かり頂けたでしょうか、半世紀(40年)近くに亘って日本のデザイン業界と共に進化し続けたのがApple社とAdobe社の製品です。Apple社とMicrosoft Windows社は開発者が同じガレージで共同で開発に従事していたことから類似しているわけです。簡単に早く、誰でも作業出来てキレイな仕上がり、これがAdobe製品のコンセプトです。高価な道具ですが、これによってWEBデザイナーやDTPオペレーターは恩恵を得て来たのです。

ちなみに写真植字機は本機と書体を含めると一台一千万円位設備投資が必要でした。でもそれだけ利益があったのです。同じことがWEBデザインやDTPにも言えることです。

Adobe Photoshop・Illustrator・InDesignは三種の神器と呼ばれて来ました。これにPDFに欠かせないAcrobatが加わってWEBデザイン、DTPが完成して行きます。

Affinity V2 導入を考えている方

1. 趣味的な範囲で利用する人
2. WordPressなどで利用、商用利用は考えていない方
3. 小規模な自社サービスだけで利用する方
この様な方にはAffinity V2はお勧めします。何と言っても安価ですから。でも先に述べた様にAffinity V2に代用できるフリーソフトは現存します。Adobe CCに代用できるソフトは現在有りません。

WEBデザインやDTPに興味のある方、また向上心のある方、WordPressなどで装飾を心がけている方、自作広告に励んでいて自立を考えている方は、高価ですがAdobe CCをお勧めします。

 更新は毎年出来ますが、更新時の注意が有ります。

Adobeマスター講座

こちらです

デジハリONLINE Adobeマスター講座 https://online.dhw.co.jp/course/adobe/ カテゴリーはMacになっていますが、Windowsでも同じです。 つい最近までこのような反則級[…]


 で説明していますのでお立ち寄り下さい。

旧バージョンで永続版を手に入れる方法もありますが、Adobe CCがサブスクリプション型になったことで旧バージョンはプレミアが付いてしまいました。それでも永続版なので安価だとは思います。バージョンとPCのOSを合わせることで使用できます。詳しくは

Adobe CSを安く手に入れる3つの方法

こちらです

Photoshop、Illustrator、Acrobat はデザイン業の必須のアプリです。バージョンを重ねるごと、またこの円安で価格も上がっています。以前は買い取りでしたが今は年間サブスクリプション方式です。Adobe税から逃れる[…]


で説明していますのでお立ち寄り下さい。

Affinity製品を選ぶか、Adobe製品を選ぶか目的は同じだと思いますが、ソフトウェアの操作性や機能に違いがあります。結果制作品も違って来ます。ただ、Affinity V2に代用できるフリーソフトはありますが、Adobe CCに代用できるソフトは有りません。プロのデザイナーがAdobeの呪縛から逃れられないのはこうした理由です。

WEBデザインの世界は一歩先に行くAdobeによって環境が開拓されているのです。
今あなたにとって何が必要で、今何を目指しているのか明確にして、選択しましょう。
1. プロを目指している。または近付きたい。
2. 難しい事は置いといて、現状出費を抑えたい。

 あなたはどちらを選びますか。
将来役に立つ技術の投資は今しか得られませんよ。

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